レンタルオフィスで経営管理ビザは取得できるのか
海外の方が日本で起業する際、日本法人の設立手続と同じくらい重要なものが「経営管理ビザ」の手続申請です。
(「投資経営ビザ」は2015年4月1日から「経営管理ビザ」に名称が変わりました。)
2015年4月1日からの入国管理法改正により、日本法人の設立手続き中でも、設立予定会社の定款を提示することで、経営管理ビザの新規申請を行うことができるようになりました。
レンタルオフィスで経営管理ビザを取得する方法
海外から日本で起業を目指す場合、経営管理ビザの取得は不可欠です。このビザを取得することで、外国人が日本国内で事業を行うことができます。特に、レンタルオフィスを利用することは、初期投資を抑えつつ必要な要件を満たすための効果的な方法です。以下では、レンタルオフィスで経営管理ビザを取得する方法を詳しく説明します。
1. 経営管理ビザの基本
1.1 経営管理ビザとは
経営管理ビザは、日本国内で事業を営む外国人に与えられる在留資格です。このビザを取得することで、法人の代表や経営者として日本に滞在し、事業活動を行うことが可能になります。
1.2 ビザ取得の要件
経営管理ビザを取得するためには、以下の要件を満たす必要があります。
- 独立した事業所の確保
- 500万円以上の出資金又は2名以上の常勤職員の雇用
- 事業の安定性・継続性が求められる
- ※2024年3月から、有償型の新株予約権払込金も一定の要件を満たせば、出資金500万円として認められる。
2. レンタルオフィスの活用
2.1 レンタルオフィスの利点
レンタルオフィスは、起業初期の段階で特に有効な選択肢です。主な利点には以下があります。
- コスト削減: 自社オフィスを持つ場合に比べ、初期投資を大幅に抑えられます。
- 契約の形態: 利用契約の場合があるので契約書を賃貸借契約書に変更してもらいます。
- ネットワーキング: 他の起業家や企業との交流の機会が得られます。
2.2 レンタルオフィスの必要性
経営管理ビザを取得するためには、専用個室のレンタルオフィスが必要です。コワーキングスペース、バーチャルオフィスでは取得は出来ません。
- 運営者の適正: 信頼性のある運営者によって管理されていること。
- 使用目的の適合性: オフィスが事業活動に適した環境であること。
- 施錠可能な区切り: プライバシーを確保するための施錠ができるスペースがあること。
- 一定の広さ: 必要な広さを持っていること。2㎡前後も可能。
- 整った設備: 基本的な設備(デスク、椅子、インターネット環境、看板、ポストなど)が整っていること。
- 契約期間の確保: 一定の契約期間、賃貸借契約書。
3. ビザ取得のプロセス
レンタルオフィスを利用して経営管理ビザを取得するためのプロセスは以下の通りです。
3.1 レンタルオフィスの選定
まず、条件を満たすレンタルオフィスを選びます。契約を結ぶ際には、以下の点を確認しましょう。
- 要件を満たしているか:専用個室、看板、ポスト、ドアの施錠など
- オフィスとしての設備:Wi-Fi、複合機、トイレ、インターホンなど
- 契約形態の確認: 契約形態が賃貸借契約か定期借家契約。
3.2 必要書類の準備
ビザ申請に必要な書類を整えます。主な書類は以下の通りです。
- 申請書: 経営管理ビザの申請書。
- 事業計画書: 事業の内容、収益計画、市場分析などを含む詳細な計画書。
- 法人の定款: 設立予定法人の定款のコピー。
- 賃貸契約書: レンタルオフィスの賃貸契約書。
- 資本金の証明: 資本金の振込証明書や通帳のコピー。
3.3 申請書の提出
準備が整ったら、管轄の入国管理局に申請書と必要書類を提出します。この際、提出先を間違えないようにしましょう。地域によって管轄が異なるため、事前に確認が必要です。
3.4 審査
入国管理局による審査が行われます。この期間は通常1か月程度です。審査中に追加の書類を求められることもあるため、迅速に対応できるように準備しておくと良いでしょう。
3.5 ビザの取得
審査に通過すれば、経営管理ビザが発給されます。ビザが発行されたら、すぐに事業活動を開始することができます。
4. 注意点とアドバイス
4.1 事業計画の重要性
ビザ申請においては、具体的で現実的な事業計画を提示することが極めて重要です。収益予測や市場分析をしっかりと行い、説得力のある計画書を作成しましょう。
4.2 専門家の利用
ビザ申請は複雑な手続きが多く含まれます。行政書士などの専門家と連携することで、最新の法律や手続きに精通したアドバイスを受けることができます。専門家のサポートを受けることで、申請がスムーズに進む可能性が高まります。
4.3 レンタルオフィスの選定基準
レンタルオフィスは、欄間開口のオフィスでも可能です。専用個室であり、施錠出来ることが条件になります。お部屋の広さも2㎡前後の1人用部屋でも可能です。当社では欄間開口、1.8㎡の1人用のお部屋で経営管理ビザ取得した顧客が複数います。
4.4 申請のタイミング
ビザ申請は法人設立の準備が整った段階で行うべきです。準備が不十分なまま申請を行うと、再提出を求められることがありますので、十分な準備を整えた上で申請するようにしましょう。
5. まとめ
レンタルオフィスを利用した経営管理ビザの取得は、海外から日本での起業を目指す方にとって非常に有効な手段です。適切なレンタルオフィスを選び、必要な手続きを踏むことで、ビザの取得をスムーズに進めることができます。アントレサポートのような専門機関を利用することで、安心して起業活動を始めることができるでしょう。日本での新たな挑戦に向けて、しっかりと準備を進めていきましょう。
執筆者情報
■株式会社アントレサポート 鈴木■
創立23年のレンタルオフィスの会社を経営。 |
執筆日:2017年3月21日