独立準備を”チェックリスト”で確認!
独立するために必要な6つの経営資源

独立準備

「独立するために必要なこと」は個人か法人かに関わらず、独立を目指す人にとって常に需要のあるテーマです。

法人設立の手続きという視点で解説するメディアもあれば、メンタル面で説明するメディアもあります。それらを全て見る事で準備できたかと言われれば、恐らく多くの人が自信をもって「イエス」とは言えないのではないでしょうか。

そこで独立の準備で必要なものを「経営資源」という視点で考えてみましょう。また、自分にあった仕事を見つけることも準備に必要な要素です。

経営資源は起業後にも必要になりますから、予め準備しておくに越したことはありません。

では独立の準備を経営資源とどう結びつけるべきか、見てみましょう。

独立開業に必要な【6つ】の経営資源

独立するために必要なことを挙げればキリがありません。自身でチェックリストを作成するにしても、その時間と労力は多大になりますから、極力ショートカットして前に進みたいものです。

そこでオススメなのが「独立の準備を経営資源に分けて考える」という方法です。

少し前までの経営資源は「人・物・金」という3つが重視されていましたが、昨今では形に表せない「時間・情報・知的財産」も経営資源であると認識されるようになりました。

経営資源6つが具体的に何を指すか見てみましょう。

従業員や取引先、その他経営に関わる人ら全般。
事業を行うにあたって必要になる物品や場所などを指す物理的な財産。
事業に必要な費用や資金、企業価値に関わる資本や利益など。
時間 代替できない限りある資源。事業の成長スピードや業務効率化に深く関わる。
情報 調査、研究で得た情報、顧客ニーズ、トレンドなどあらゆる情報。
知的財産 情報化社会に欠かせない形のない資源。著作権や特許、商標など。

すでに独立を果たした人が気にすべきもののように思えますが、独立にあたって準備すべきものを経営資源に当てはめると、何が必要であるか体系的に理解することができます。

では具体的に見ていきましょう。

【経営資源1】独立前も独立後も大事な「人」

1. 家族や仲間のサポートは受けられそうか

2. 他業種の人と知り合えるセミナーや勉強会に参加する

3. メンターとなる成功者と知り合いになる

4. いざという時に相談できる弁護士や税理士などに目星をつける

5. 仕事をくれる人はいるか

独立して成功する人の多くは、とにかく「人(人脈)」を大事にしています。もちろんそれはビジネスに関わることだけでなく身近な家族や友人も同じです。

特に家族は思ったように稼げない時に生活面でサポートをしてもらったり、捌ききれない仕事を手伝ってもらったりと、事業主になったあなたの大きな支えになります。

また独立するにあたって勤めている会社を辞めるなら、早めに挨拶に回りましょう。それまで交流のなかった人と繋がるチャンスです。

起業後のサポートだけでなく、仕事をくれる人脈作りという視点でも「人」を大事にしましょう。

【経営資源2】独立前に最低限準備しておくべき「物」

1. オフィス

2. 会社のロゴ

3. 社判

4. 名刺

5. ロゴ入り封筒

6. 営業用の資料

7. パソコンやプリンタ

8. 会計ソフト

9. 自社サイトやブログの開設

10. オリジナルグッズの作成

11. その他デスク周りの備品

「物」は挙げればキリがありませんが、上記は起業前に最低限は準備しておきたいものとして考えるとよいでしょう。

またオフィスに関しては、もし自宅でもできる仕事ならわざわざ事務所などの賃貸物件を借りる必要はありません。会社登記可能なバーチャルオフィスレンタルオフィスを契約し、ランニングコストを削減することを優先しましょう。

【経営資源3】開業前から準備しておきたい「金」

経営資源「金」

1. 会社登記費用の確保

2. 自己資金の確認

3. 資金計画を立てる

4. クレジットカードの契約

5. 独立資金を調達する

6. 自治体の起業支援制度の確認

7. その他金融機関の開拓

8. 家族や親せきなどの援助を受けられそうか

起業や開業というカテゴリにおいて、資金調達の方法について述べるWEBサイトや記事が非常に多くあります。それだけ「金」が重要なファクターである証拠と言えるでしょう。

独立自体は会社登記費用だけでも可能ですが、その後はオフィス賃料や固定費、外注費、自分への給与あるいは報酬など様々な費用が必要です。独立後には審査が通りづらくなるクレジットカードも予め作っておいた方が良いでしょう。

必ず融資が受けられる保証はありませんが、いざという時に資金を調達できそうな融資制度や金融機関も目星くらいは付けておいた方が良いでしょう。

起業前に会社に勤めていれば失業保険の給付を受けることも選択肢の一つです。起業後の売上が想定よりも厳しいようであれば失業保険は大きな助けになります。

【経営資源4】「時間」がかかるものほど流れを把握する

1. 健康保険や年金の切り替え手続きの確認

2. 定款の作成

3. 会社登記書類の作成と申請

4. 青色申告の手続き

5. 請求書や領収書などの書類準備

6. 仕事用の銀行口座

7. 退職準備

上記に挙げた手続きや準備を全て完了させるには1ヶ月以上はかかると見込んだほうが良いでしょう。各種証明書がないと法人口座も開設できませんし、法人口座の開設だけでも1~2週間かかるのが通常です。

「時は金なり」とはよく言ったもので、法人口座がなければせっかく仕事で得た利益も入金予定がズレてしまいます。上記の手続きは「時間」であると捉え、手続き方法や流れを予め把握して滞りなく進められるよう準備しておきましょう。

【経営資源5】「情報」の収集は経営者の必須スキル

1. 競合の調査やマーケティング

2. 事業計画の作成

3. 必要なスキルや資格の習得

4. 起業家のセミナーに参加する

5. SNSのアカウントを作成して友達を増やす

6. ニュースサイトやキュレーションサイトのチェック

独立前から行えるのが「情報」の収集です。すっかり情報化社会となった今では、誰よりも早く敏感にトレンドを把握することは事業を成功させるために欠かせません。

上記のSNSアカウントの作成やキュレーションサイトのチェックは、簡単なことですが実は大事な作業です。何故なら、どれもアクセス数を稼ぐために自ら最新情報や話題になりそうなネタを掘り起こしてきた「情報の宝庫」だからです。

例えば、今お読みいただいている記事も「独立の準備を経営資源という視点で考える」という、どのサイトでも記事にしていない新しい情報です。有用な情報かどうかは個人差があると思いますが、新しい情報という点で何かのヒントになる可能性もあります。

情報の収集は確実に自分のスキルアップに繋がりますので、独立の準備で忙しい中でもなるべく欠かさないようにした方が良いでしょう。

【経営資源6】成功の種まき「知的財産」を整理しておく

1. 事業アイディアは手帳にメモする癖を付ける

2. サービス内容や料金形態の明確化

3. 商標・商号・著作権の制度を把握し、必要に応じて登録する

前章の情報が既に発信されたものであるのに対して、知的財産はまだ発信前の自分が作り出した形を持たない財産と言えます。

当然、起業前から上記全てを準備することはできません。よって少なくとも商標や商号、著作権の制度くらいは理解し、いつでも自分のアイディアを引き出せるようメモの癖を付けるようにしたほうが良いでしょう。

40の”チェックリスト”で独立前の準備を始めよう!

ではここまでにご紹介した独立前の準備を経営資源別にまとめてみましょう。

「いくつ以上チェックできれば…」という心理分析の類ではありませんから、一つでも多くチェックできるほど独立準備が整っていると考えてもよいでしょう。

では、ご自身で「問題なし」と判断できるものがいくつくらいあるか試してみましょう。

独立準備を”チェックリスト”で確認

【人】

1. □家族や仲間のサポートは受けられそうか

2. □他業種の人と知り合えるセミナーや勉強会に参加する

3. □メンターとなる成功者と知り合いになる

4. □いざという時に相談できる弁護士や税理士などに目星をつける

5. □仕事をくれる人はいるか

【物】

6. □オフィス

7. □会社のロゴ

8. □社判

9. □名刺

10. □ロゴ入り封筒

11. □営業用の資料

12. □パソコンやプリンタ

13. □会計ソフト

14. □自社サイトやブログの開設

15. □オリジナルグッズの作成

16. □その他デスク周りの備品

【金】

17. □会社登記費用の確保

18. □自己資金の確認

19. □資金計画を立てる

20. □クレジットカードの契約

21. □独立資金を調達する

22. □自治体の起業支援制度の確認

23. □その他金融機関の開拓

24. □家族や親せきなどの援助を受けられそうか

【時間】

25. □健康保険や年金の切り替え手続きの確認

26. □定款の作成

27. □会社登記書類の作成と申請

28. □青色申告の手続き

29. □請求書や領収書などの書類準備

30. □仕事用の銀行口座

31. □退職準備

【情報】

32. □競合の調査やマーケティング

33. □事業計画の作成

34. □必要なスキルや資格の習得

35. □起業家のセミナーに参加する

36. □SNSのアカウントを作成して友達を増やす

37. □ニュースサイトやキュレーションサイトのチェック

【知的財産】

38. □事業アイディアは手帳にメモする癖を付ける

39. □サービス内容や料金形態の明確化

40. □商標・商号・著作権の制度を把握し、必要に応じて登録する

独立の準備で必要なものは職種によって異なるでしょうから、上記が全てではありません。上記以外に必要だと思うものがあればチェックリストに追加しても良いでしょう。

上記のチェックリストを多くこなせているほどスムーズな独立を実現でき、「独立するには?」「どうやって独立するの?」という疑問を整理するのに役立ちます。

女性の起業も増えており、外国では女性役員の増加など女性が活躍する場が増えています。

個人事業主か法人かに限らず独立するために必要なこととして、この機会にチェックしてみてはいかがでしょうか。

 

執筆者情報

株式会社アントレサポート 鈴木■

創立23年のレンタルオフィスの会社を経営。
バーチャルオフィス・レンタルサロンなど、さまざまな事業展開をしている。

執筆日:2019年9月18日