ネットショップで利用するバーチャルオフィスを選ぶ5つのコツ
今やネットショップは、主婦や学生でもできるビジネスですが、さまざまな成功事例を知ると「自分もやってみようか……」と思うこともあるかもしれません。
ただ、起業にはいくつかの壁ややるべきことが立ちはだかります。
・起業するための資金集め
・開業届や法人登記などの手続き
・仕入れ先や販路の開拓
・必要機材や備品の準備
など…
どれもネットショップをはじめるために欠かせず、故にネットショップを成功させるためには、効率の良い起業準備が重要です。
そこでおすすめなのが、バーチャルオフィスです。
この記事では、バーチャルオフィスでネットショップを開業するメリットから、バーチャルオフィスを選ぶコツをご説明します。
バーチャルオフィスでネットショップを起業する5つのメリット
最初にバーチャルオフィスでネットショップを起業するメリットを見てみましょう。
1.オフィス賃料が1/10以下に抑えられる
法一般のオフィスを借りた場合、賃料が月に数万円以上になります。
バーチャルオフィスなら月1万円以下で利用できるため、イニシャルコスト、ランニングコストの両方を大きく削減することができます。
2.利用までの時間を短縮できる
事務所などは、不動産会社を訪れて内見をおこない、審査や契約手続きなどを経てようやく利用開始になるため、長ければ1か月以上かかることがあります。
バーチャルオフィスは利用開始まで1週間かからず、場合によって即日利用も可能です
これにより、時間を大幅に短縮することができます。
3.自宅住所が漏れることなく開業できる
ネットショップの開業で最初に問題になるのが、特定商取引法による住所や名前の表記義務です。
自宅住所を表示したくないというかたは、バーチャルオフィスの住所を利用できるため、個人情報を漏らさずに開業できます。
4.ネットショップの信頼性が高くなる
バーチャルオフィスの多くは都内や主要都市にあるため、その立地がネットショップの信頼性を高くします。
よく知らないエリアの個人事業と見られるより、都心で営業しているしっかりした会社と見られるため、信頼性がアップするのです。
5.必要なサービスを必要なときだけ使える
ネットショップとはいえ、規模が拡大してくれば取引先との打ち合わせや郵送物の量も多くなります。
バーチャルオフィスは、郵便物転送や会議スペースのレンタル、電話問合せ代行、電話やFAX番号のレンタル、コピー機やシュレッダーなどが用意されています。
必要なサービスを必要なときだけ利用することで、自前で準備するコストが不要になります。
自分に当てはめて考えたとき、魅力的に見えるメリットもあるのではないでしょうか。
しかし、バーチャルオフィスは言わば「住所貸し」の一面もあります。
続いて、本当の住所とは違う住所でネットショップをはじめることに違法性はないのか解説します。
ネットショップをバーチャルオフィスの住所にするのは違法?
ネットショップをはじめるにあたり、以下のような問題に頭を悩ませるかたもいらっしゃることでしょう。
・特定商取引法の定めで、住所や氏名を表示する義務があるのが心配
・そもそも法人登記をおこなう際の住所をバーチャルオフィスにすることに違法性はないのか
・バーチャルオフィスの住所で銀行口座は解説できるのか
結論からお伝えすると、上記3つともほぼ問題ありません。
一つずつ解説します
●住所や氏名は表示しなくても良い
確かにネットショップは「特定商取引法」により「通信販売」にあたり、同法第11条では「販売業者は住所と氏名を表示しなさい」と定めています。
ただし、同じ第11条で「請求により速やかに提示するなら、予め表示しなくても良い」とも定めています。
つまり、商品を買うユーザーから住所を聞かれたときに速やかに開示するのであれば、予め氏名や住所を表示する必要はありません。
●法人登記の際の住所について
登記する住所は現に代表者がいることとか、そこで業務が行われていることといった決まりはありません。
よって、バーチャルオフィスの住所でも法人登記は可能です。
●銀行口座の開設について
銀行口座を開設できるかどうかは、銀行により判断が異なります。
ただ、一般的にネットバンクなら開設しやすいと言われており、特に楽天銀行は、必要書類を提出すれば問題なく口座開設できたという声も多く報告されています。
法人登記については、縁も所縁も、まして建物も何もない住所で法人登記することは「公正証書原本不実記載」と判断されることもあるため注意が必要です。
どんな住所でも法人登記が可能ということはないのは覚えておきましょう。
バーチャルオフィスの利用料金は?一般的な利用方法と流れ
さて、バーチャルオフィスでネットショップをはじめる心配もおおよそ解消されたかと思います。
ここで、バーチャルオフィスを利用する際の料金や一般的な利用方法の流れをご覧ください。
【バーチャルオフィスの利用料金】
・月額利用料:6,000円前後~
・入会金など:数千円~3万円程度(無料の会社もある)
・保証金:数千円~2万円前後
・事務手数料:数千円~1万円
参考:株式会社アントレサポート
【バーチャルオフィスの利用の流れ】
1. 問い合わせ
2. オフィス会議室や受付の雰囲気を確認
3. 申し込み
4. 契約前の審査
5. 初期費用の支払い
6. 契約
7. サービス説明や必要業務の打ち合わせ
8. 利用開始
参考:株式会社アントレサポート
詳しく解説するため利用の流れを8段階に分けていますが、実際には利用までに1週間もかかりません。
バーチャルオフィスを提供する会社によっては、2~3日で全ての手続きが完了することもあります。
ネットショップを開業するにあたって、費用、時間ともに節約できるのがバーチャルオフィスの最大のメリットと言えるでしょう。
バーチャルオフィスを選ぶ5つのポイント
ここまで解説させていただいたように、バーチャルオフィスの有用性には注目が集まり、今では多くのかたがビジネスをはじめるツールとして活用しています。
とはいえ、バーチャルオフィスにも良し悪しがありますので、その見極めは重要です。
1. 立地や住所にブランド力があるか
最初にお伝えしたメリットにもあるように、東京都心など、開業する住所地にブランド力があると信頼性をアップさせます。
2. 安い利用料金だけが売りになっていないか
利用料金が安いに越したことはありませんが、最低限のサービスしかないバーチャルオフィスもあります。
せめて、来客対応や私設私書箱として郵便物の受け取りまでセットになったプランを提供しているバーチャルオフィスを選びましょう。
3. オプションが充実しているか
バーチャルオフィスによっては、法人登記や経理、電話問合せの代行といった便利なサービスを提供している会社もあります。
いずれネットショップを拡大する予定なら、頼れるサポートのあるバーチャルオフィスを選ぶことがいざという時の保険になります。
4. 解約時の違約金や更新料がかかるか
安すぎるバーチャルオフィスの場合、解約時に違約金を請求するケースや更新料が高いといったこともあります。
許容範囲なら問題ありませんが、ランニングコスト削減のためには解約金や更新料は無料のバーチャルオフィスをおすすめします。
5. 審査や本人確認をおこなっているか
上記同様、安いだけのバーチャルオフィスで本人確認や審査もおこなわない場合、少し怪しんだほうがよいでしょう。
反社会的勢力と関係のある会社が運営するバーチャルオフィスという可能性もゼロではありません。
無駄なトラブルに巻き込まれたり、ネットショップの信用を失ったりすることのないよう、本人確認や審査をおこなう、運営体制の整ったバーチャルオフィスを選ぶようにしましょう。
バーチャルオフィスを活用すれば、ネットショップは気軽にはじめられます。
とはいえ、ネットショップで確実に利益をあげるためには、やはり信頼が大事ですので、
上記に挙げたポイントはしっかり押さえたほうが良いでしょう。
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執筆者情報
■株式会社アントレサポート 鈴木■
創立23年のレンタルオフィスの会社を経営。 |
執筆日:2019年7月24日